ブリューワーズに2連敗を喫し、後がない状況のドジャース。大谷翔平選手の不振や静まり返る強力打線、ちぐはぐな采配への違和感等々、ドジャースファンは今夜眠れないことだけは確かだ。
データや確率(突破率17%)を見れば圧倒的劣勢であることは否めない。
しかし、野球はデータだけで動くわけではない。野球は奇跡のスポーツ。
山本由伸は「野球の神様はいると思う」と言った。
ピッチャーマウンドからホームベースまでの18.44メートル、ダイヤモンド一周の距離、バットとボールのサイズ――これら全ては、人間の身体能力の限界を極限まで引き出し、「0.01秒、0.01ミリ」で天国と地獄がひっくり返るように奇跡的に設計されている。
昨年、ドジャースが薄氷の差で掴み取ったワールドシリーズの栄冠も、全てが逆であってもおかしくない紙一重の勝負だった。
では、その「0.01の奇跡」を引き寄せるものは何か。それは突然降ってくる大逆転ホームランではない。ハイライト映像にも残らないような、「極小さな好プレーの積み重ね」でしかない。
本日の試合。5回、無死二塁の好機で打席に立ったベッツ選手は、チームバッティングに徹して右方向へのセカンドゴロを放ち、二塁ランナーを確実に三塁へと進塁させ、力強いガッツポーズを見せた。
6回、大谷選手が見せた初球バントの構え。それらに心が震えたファンは多いはずだ。今のドジャースに、そして熱くなっている選手たちに今一度思い出してほしいのは、あの執念だ。
大谷選手には、アウトになってでももう一度バントにチャレンジし、一塁にヘッドスライディングしてでも進塁してほしかった。――そんな1ベースへの泥臭い執念こそが、スタジアムの空気を変え、野球の神様をもう一度ドジャース側に振り向かせる唯一の鍵だ。
華やかなスター軍団が、泥にまみれて「極小の好プレー」を積み重ね始めたとき、歴史的な大逆転劇の幕が上がるはず。私たちはその瞬間を信じている。

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